母の全身性強皮症について書いています。
2015年1月に病名が分かり、治療が始まりました。
1回目の入院では治療のかいあって回復の傾向が見られましたが、退院1か月後には再び腸閉塞になってしまい、再入院となりました。
再入院2日目からの記録です。
過去のことを振り返っているので、一歩引いた視点で、かつ、その後談も含めて記すつもりです。
再入院直後
禁食になっています。
ビーフリード輸液(ブドウ糖)を1日に2本点滴しています。
点滴のルートから腸を動かす薬も入れていますが一向に腸は動きません。
指が動かないので私が服用する薬を1回分ずつに分けています。
食事をとれないので口から入るのはお薬だけです。
CT、レントゲンの結果がきました。
頭部と首のCTでは異常なし。指が動かないのは脳のせいではありません。
手首のレントゲンも異常なし。外部損傷による影響がないこともはっきりしました。
小腸のガスが、前回入院時よりもあることが分かりました。
もうしばらく禁食です。
禁食4日目に口が苦く感じるようになってきました。
亜鉛不足の可能性があるとのこと。ビーフリード輸液だけでは栄養が足りないそうです。
禁食5日目の夜にお腹がゴロゴロなるようになりました。
その後3回の下痢。やっと腸が動き出しました。
その翌日の昼から流動食を開始。
整形外科の診察があり、腕が重く、痛みがあり、動きが不自由なのは強皮症による筋肉痛、と言われました。
お腹が痛いのも、具合が悪いのも、下痢をするのも、体がだるいのも、腕が痛いのも、諸悪の根源は「強皮症」です。
再入院6日目 再び禁食
夜中にまたお腹がゴロゴロしたそうですが、ガスも下痢も出なくて苦しんでいます。
腹部レントゲンを撮ったところ、また小腸にガスが溜まってしまったので再び禁食になってしまいました。
ビーフリード輸液は1日2本から3本に増えました。
禁食でお腹に症状がある状態ですが退院に向けてリハビリが始まりました。
体がだるくて重くて動かせないので、1日中横になっています。
このままでは退院しても日常生活が送れないので本当に簡単な運動からリハビリをするのでしょう。
足のリハビリでは、ベッドで横になったままお尻上げを10回したり、ひざの裏に10回力を入れたりする運動。ベッドに腰かけてかかと上げ、つま先上げなどもしています。
手のリハビリでは、手のひらを合わせて親指を開いたり、1本ずつ指を広げる運動です。
今になって振り返ると、
こんなこともできなかったの!?
と驚いてしまいます。
今は点滴棒を持って家の中を歩き回り、お料理もしていますから。
食事はできないのでエレンタール
主治医の先生の回診がありました。
やっぱりMさんは腸が動かないね。
そういうタイプの強皮症なんですよ。
難病です。治りません。(きっぱり)
強皮症では死なないけど腸閉塞は命取りだからね。
腸閉塞にならないようにするために、もう口から食事はできません。
味見だけして楽しんで「ぺっ」て吐き出す人もいますよ。
今回の入院は1か月してもらいます。
食事以外で栄養をとる方法を見つけないといけないからね。
今日からエレンタールを飲んでみましょう。
愕然とするほどハッキリおっしゃる先生です。
この病気は一生もので治らないとのこと。
母はもう食事ができないそうです。可哀そうに。
そして血液検査の結果、やはり亜鉛不足であることも分かりました。栄養が足りていないということです。
エレンタールという粉を水で溶いて、これを飲むことで栄養をとります。おいしくなさそう。
食事はだめだけど、水溶液ならば腸が受け入れてくれるのか?
そこが今回の判断のしどころです。
この日はオレンジ味でした。
翌日はパイナップル味。
禁食なので他に口から入るのは飲み薬だけです。可哀そうに。
エレンタールも吸収できない
2日間禁食状態でエレンタールだけを口にしました。
でも、腸閉塞の症状は更に悪化。
母の消化器官は水溶液すら受け付けてくれません。
エレンタールの量を減らすことになりました。
次の日の回診で、先生から
エレンタールもだめだね~
脂肪乳剤っていう白い栄養点滴があるんですよ。
それが血管から入れば栄養は足りるんだよね。
腸は治らないけど、血管からの栄養摂取ならいけるから。
ということで、初めて見る真っ白な点滴を受けることになりました。
腕の静脈から点滴するのですが、元々血管が細いうえに栄養がとれておらず、体力がかなり落ちているので血管に針が入りません。
もしかしたらビーフリード輸液の時よりも針が太いのかな?
とにかく入らないのです。
脂肪乳剤を1本点滴するために何回も針を刺しなおしするので、母の腕は絆創膏だらけに。
エレンタールも併用しています。栄養としてはこの組み合わせで足りるとのこと。
でも、腸閉塞の症状は相変わらずで、水溶性の下痢、シクシクするお腹の痛み、レントゲンで見られる大量のガス、があります。
夜も苦しくて入眠剤をもらったり、ホットパックでお腹を温めたりしているそうです。可哀そうに。
後記
今回の再入院で、母の全身性強皮症は小腸機能障害を起こすタイプであることがハッキリしました。
禁食の後に水溶性の栄養剤を飲んだり、白い点滴をしたりしましたが、どうしても体が受け付けません。
今頼りになっているのはビーフリード輸液(ブドウ糖)のみです。
腸閉塞は命に関わるので、一刻も早く治さないとならないのに。
次の記事では、いよいよ最後の手段「中心静脈栄養」の話になります。
この方法ならば血管からの輸液のみで栄養状態を保てるとのこと。
なかなかの大事になってきました。
続きをお楽しみに!