母の全身性強皮症について書いています。
2015年1月に病名が分かり、治療が始まりました。
母の全身性強皮症は小腸機能障害を起こすタイプです。
一度は良い傾向がみられましたが再び腸閉塞に。腸閉塞は命に関わります。
過去のことを振り返っているので、一歩引いた視点で、かつ、その後談も含めて記すつもりです。
腸が動かないことについて
1月に腸閉塞で入院したときは短期間の禁食と低残渣食、腸を動かす薬で改善しましたが、3月に2回目の腸閉塞を起こしたときには同じ治療をしても全くよくなりませんでした。全身性強皮症の影響で、1月の時よりも更に腸が硬くなっているようです。
手の指が枯れ木のように硬くなり、腕も肘まで色素沈着しているときが、母の消化器官の状態が最も悪い時でした。この時は腕の皮膚も硬化している状態でした。
素人ながらに振り返ってみて思うのですが、皮膚は口を経由して体の内側に入り、食道、胃、腸など体の内側を経由して、またぐるっと外側に戻ってきます。繋がっているのです。
私はアレルギー持ちですが、皮膚に湿疹がでたらお腹も壊します。胃腸も皮膚と同じようにトラブルを起こしているのだと実感します。
強皮症というのも似たもので、外側の皮膚が硬化した状態だと内側の皮膚(消化器官)も同様に硬くなるのでは? 内臓は触って確かめるわけにもいきませんが、おそらく母の手、腕が硬化しているときは、腸も硬化していたのだと思うのです。
とにもかくにも、強皮症の症状が最も悪い時が、母の腸の状態が最も悪い時と同時期だった、ということです。
中心静脈栄養をすすめられる
主治医回診の際、
![先生](https://tobi-note.com/wp-content/uploads/2021/10/sensei1.png)
今回は禁食しても、エレンタールを飲むだけでも、
腸閉塞の症状は治まりませんでした。
お腹の中はガスでいっぱいです。
血管から栄養を入れようと白い点滴(脂肪乳剤)をしたけれど、
血管が細くて、おまけに強皮症の影響で硬くなっているので
なかなか入ってくれません。
そうなると、中心静脈から栄養を入れるのが確実です。
まずは首の血管から入れてみましょう。
高カロリー輸液を血管に直接入れて、それで大丈夫そうなら
CVポートっていう1円玉くらいのシリコンを体に埋め込みます。
栄養とれなくても、腸閉塞になっても死んじゃうからね。
中心静脈栄養…
亡くなった父方の祖母が最期にしていました。
寝たきりの状態でした。
父も母もすぐに祖母のことを思い起こしました。
このまま寝たきりになって、
中心静脈から栄養だけ入れられて、
その内死んじゃうんだ…
父と母はそう思い込んでしまいました。
その割に先生の口調は軽かったのですけれど…
怖くて、思うところは沢山あっても先生に聞くことができません。
夫婦そろって鬱のどん底。
遺影を撮るために写真屋に来てもらおう、とか、本気で二人で話し合ってます。
![とび](https://tobi-note.com/wp-content/uploads/2021/09/Mii_muu.jpg)
聞く耳持たず、ってこのことだな
埋込手術と最初の輸液
中心静脈カテーテルの挿入は2回目の入院15日目の午前に行われました。
局所麻酔で1時間ほどの手術です。
レントゲンで血管の様子を見ながらカテーテルを挿入していきます。
予定通り、無事に埋め込み手術が終わりました。
今回母に入れたのは「体外式」と言われる最も一般的なカテーテルです。
カテーテルの先端を心臓近くの大静脈に留置します。
点滴との接続部は体外にあり、薬剤を接続していない時は衛生面を保つために特殊なシート(ドレッシング材)を貼ります。
この方法は一般的ではありますが、感染リスクが高いため長くても3週間以内に抜かなくてはなりません。
母は強皮症の治療のためにステロイドを使用しているので、普通の人以上に感染リスクがあります。
予防のため、術後しばらくは強い抗生剤を服用しました。
最初に入れた薬剤はフルカリック1号です。
高カロリー輸液と呼ばれるもので、埋め込んだカテーテルから1806mlの薬剤を1日かけて点滴します。中心静脈栄養を取り入れた導入期は1号なのだそうです。落ち着いたら維持期は2号になります。
ここに至る前に試した脂肪乳剤は腕の静脈から点滴しましたが、栄養をとれていないので先生の言う通り5回、6回針を刺さないと薬液が入らず、また、点滴の途中でも止まってしまうことが度々あり、母の腕は絆創膏だらけになっていました。
その点、首の静脈にカテーテルを埋め込んだことで、薬液を接続すればすぐに点滴が入ります。
治療のための薬もルートの途中から合流させることができるのです。
血管を探す必要も、何回も針を刺されて痛い思いをすることもありません。
太い血管にいれているので途中で止まることもありません。
副作用として血糖値上昇がありえるので、血糖値の検査を1日3回することになりました。
でも、幸いなことに24時間点滴にしている間は母の血糖値は異常にはなりませんでした。
後記
中心静脈栄養を取り入れたこの頃、母はほぼ寝たきりの状態でした。
トイレに行くのも介助してもらってやっと。体が動かない時は車椅子を使っていました。
体中に痛みがあり、かがむ姿勢を維持できないので顔を洗えません。
口から食べるものはすべて腸閉塞を引き起こします。中心静脈栄養を取り入れるまではビーフリード輸液(ブドウ糖)を入れているだけだったので栄養状態も最悪でした。
高カロリー輸液が入るようになったので安心して(?)禁食できるようになって、先生も栄養状態が良くなれば強皮症の症状が安定するのではないかとお考えの様子。
まだまだ続く、母の強皮症の記録。
続きをお楽しみに!